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貯金・定期預金コラム:
「いつかはゆかし」の広告に思うよしなしごと

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる記事はこちらです。
2013/3/14 <PRタイムズ

「いつかは ゆかし」に対する一部ブロガーによる悪質なデマに対して、被害届の提出を検討




※抜粋、全文はこちら

編集部からのコメント

安倍政権の誕生を契機として、大幅な円安や株高が進み、金融市場がにわかに活気付いていますね。当サイトの読者の方の中にも、こうした相場の活況を前にソワソワしている方が多いかもしれません。

リーマンショック以降、長らく続いた「投資の冬の時代」を考えればたまには投資が盛り上がるのは良いことだと思いますし、それによって日本の景気回復が早まるのであれば結構なことだと思います。

ただし何でもそうですが、利益を得るためには安く買って高く売らないといけません。投資も同じで、本来は円高株安の時に投資を行い、円安株高となればむしろ投資したものを売るべきタイミングなのですね。

「値段が上昇しているから買う」というのは、投資行動としてはあまりよろしいことではないことは肝に銘ずる必要があります。

ではなぜついつい値段が上昇している時に購入してしまうかといえば、みんなが買っているものはつい買ってしまいたくなる集団心理に加え、リスクが見えにくくなるからですね。

しかし投資の鉄則は「リスクとリターンは比例する」というものです。ハイリスク・ハイリターンはあっても、ローリスク・ハイリターンはありません。無論、ノーリスク・ハイリターンなんてありえません。

仮にあったとすれば、誰にも教えないか、詐欺かのどちらかですね。記者が仮にローリスク・ハイリターンの投資案件を見つけるとすると、絶対に口外せず、自分で独占しようとするでしょうね(笑)。残念ながらそうした幸運にめぐり合ったことはありませんが。

そういう意味では値段が上昇している時も、リスクが見えにくくなっているだけで、リスクは厳然とそこに存在します。むしろそうやって相場が過熱すればするほどリスクもそれだけ大きくなっていると考えるべきです。リーマンショックで世界の株式市場から数百兆円という価値が吹き飛んだ事実がそれを物語っていますね。

もちろんそうしたリスクをよく理解した上で、決められた範囲内で投資をする分には決して悪いことではないと思いますが。

さてそうした相場の過熱が気になり始めた今日この頃、何気なくネットを回遊していた時に見つけたのが上記プレスリリース。「いつかはゆかし」というサービス名で投資関連サービスを提供しているアブラハム・プライベートバンク社が、一部ブロガーによる悪質なデマに対して、被害届の提出を検討している、とのことです。

同社が問題視する内容としてはもろもろあるわけですが、その中の1つを抜粋するとこうなります。

・「いつかは ゆかし」の公式サイトでは、積立投資の複利効果を説明するために「無料シミュレーション・サービス」をサイト上で提供しておりますが、当該ブロガーは、この「無料シミュレーション・サービス」の話を意図的に当社サービス(有償の投資助言サービス)で提案している内容と混同させ、「誇大広告」であるとあえて誤解させようとしております。

ということですが、件の「いつかはゆかし」サービスの広告がこちらです。



ツッコミどころは満載ですが、これを見れば普通の人は「いつかはゆかしサービスを利用すれば月5万円の積み立てで1億円が貯められるんだな」と思うでしょうね。

同社の主張するように「1億円は貯められる」というのはあくまで無料シミュレーションの解説であって、同社サービスの話ではないと考える人はいないでしょう。それに関する注釈もありませんし。

こうした広告展開を行いながら、批判に対して「悪質なデマ」と断罪するのは腑に落ちないと感じる方が多いのではないでしょうか?

また同社HPでは2007年9月から2012年9月までのパフォーマンスを比較してこのようなグラフを掲載しています。



そもそも「いつかはゆかし」は投資商品ではなく、あくまで「紹介サービス」なわけですから、こうやってパフォーマンスを掲載・比較すること自体、あたかも金融商品であるかのような著しい誤解を招くわけですが、それに加えて「各社で1番リターンの良い商品」を比較するのも無意味です。

というのも商品を選ぶ段階で、これが5年先に最もリターンが良いかどうかなんてことは誰にも分からないからですね。

さらに「シャープレシオが0.75以上に限定」という注釈も意味が分かりません。シャープレシオは平たく言えば「値動きの大きさ」ではないかと思いますが、「1番リターンのよい商品」を比較するのであれば値動きが荒くなって当然で、そうしたファンドを意図的に外すのは不適切です。

百歩譲ってもしこうした比較をするのであれば、正確性を保つために

・シャープレシオ0.75未満の商品も含めた比較
・一番リターンが低かった商品の比較
・取り扱い全ファンドの運用成績の平均値/中央値
・サービス利用者の運用成績の平均値/中央値

といった情報も開示するほか、透明性を高めるために

・比較対象金融機関名の開示

が最低限、必要でしょうね。ちなみに2012年9月からはかなり株価が回復していることもありますが、モーニングスターで2013年3月時点のパフォーマンスをチェックしてみると以下のような商品が5年間のリターンが年率で10%を上回っています。

・「DIAM 新興市場日本株ファンド」 17.24%
・「(オーロラF) タイ投資F」 16.56%
・「JPM ザ・ジャパン」 12.00%
・「JPM・E-フロンティア・オープン」 11.68%
・「高利回り社債・為替ヘッジ(毎月分配型)」 10.41%

かつ、もう1つ気になるのがこのパフォーマンスの通貨が分からない点です。これは円価ベースなのでしょうか?それとも外貨ベースなのでしょうか?「いつかはゆかし」で紹介されるファンドは海外の外貨建てファンドではないかと思いますが、いくら外貨ベースでプラスでも、日本で暮らすわれわれにとっては円価ベースでプラスじゃないと意味がありません。

などと思いつくままに書いてきましたが、本当に言いたかったのはアブラハム社のこうした広告姿勢ではなく、「1億円は貯められる。月5万円の積み立てで。」というキャッチコピーそのものです。

結論から言うと、残念ながら不可能です。

毎月5万円×30年×1%で積み立て運用するとどれくらいになるかご存知でしょうか。1億円は無理にしても5,000万円くらいかな?と思うかもしれませんが、実際には2,098万円ですね。

上記「いつかはゆかし」提供のシミュレーションでは「年利10%」で計算していますのでこれだけ差が出るのですが、では本当に年利10%で運用できるのでしょうか?

繰り返しになりますが、リスクとリターンは比例します。何もしないと約2,000万円で(実際には1%で運用するのも難しいわけですが)、それを1億円にしようと思えば、元本が5倍となるリターンが必要なわけですが、抽象的に言えば、そのためには元本が5分の1となるリスクも取らないといけないのです。

したがってノーリスクで年利10%の運用ができるはずがありません。ハイパーインフレが進行中の通貨建てならありえますが、最も通貨の価値が安定している日本円では不可能です。

つまり正確に言えばこういうことですね(金額・数値自体はあくまでイメージですが)。

「30年で400万円〜1億円は貯められる。月5万円の積み立てで。」

あるいは

「元本が5分の1〜5倍になる。月5万円の積み立てで。」

ということですね。

実際の成績は一般的にはその間のどこかに落ち着くわけですが。

そんなわけで長くなってしまいましたが、リターンの裏にはリスクがあるという投資の大原則を、相場が活況となる今こそ再認識いただければと思います。

・・・「悪質なデマ」にはなっていないですよね?

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