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貯金・定期預金コラム:
1年で6.2%!?カンボジア商業銀行の預金は魅力的?

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる記事はこちらです。
2013/10/24 <J−CAST

高金利にウハウハ?それとも「弱点」気になる? 「カンボジアでUSドル預金」やってみた




※抜粋

編集部からのコメント

世の中にはいろいろな資産運用話があるものですが、必ず押さえておかないといけない点は、「リスクとリターンは比例する」ということですね。

日本の定期預金は1年もので0.03%〜0.30%といったところです。定期預金はほぼリスクフリーですから、ノーリスクで期待できるリターンというのは最大で0.3%程度ということですね。

とすると、それより高いリターンがあるように見える運用商品というのは、基本的には相応のリスクがある、ということになります。リスクというのは金融用語的には「増えたり減ったりする可能性」ということですので、仮に10%のリターンが期待される金融商品があるとすれば概念的には、−10%(正確には0.3%を引いて−9.7%)の損失を出す可能性が同じくらいある、ということですね。

もちろんリスクが悪いと言っているのではありません。当然、何のメリットもなければ誰もリスクを取らないわけで、リスクを取った人に対しては相応のご褒美=リスクプレミアムが用意されているのが通例です。

たとえば上記の例で言うと、概念的ではありますが、期待されるリターンは10%で、想定される損失は−8%、といった具合ですね。つまり外れれば−8%だけれど、当たれば+10%で、数多く続けていけばリスクを取らなかったときより相応のリターンが得られる、ということです。

ただ、こうした資産運用を検討する時に注意すべき問題は2つあります。

1つ目はもちろん、リスクがよく分からない場合です。思い浮かぶアノ商品もソノ商品も、結局、詐欺だったことが判明しましたが、高いリターンが約束されている一方でリスクが見えない場合は、「詐欺」という恐ろしいリスクが隠されている場合が多い、ということです。

2つ目はリスクが見えていたとしても、本当にリスクとリターンが比例している商品か、ということですね。誠実な会社が提供している誠実な金融商品であれば、「ミドルリスク・ミドルリターン」、「ハイリスク・ハイリターン」とリスクとリターンが比例するのですが、そうでない商品の場合、「ミドルリスク・ローリターン」、「ハイリスク・ローリターン」といった形となり、割りに合わないことになります(ちなみにその逆の「ローリスク・ハイリターン」はありえません。提供会社が損をすることになりますから)。

そしてどちらもなかなか素人には見破るのは難しいのが実情ですね。やはり、「君子、高リターンには近寄らず」ということに尽きるのではないかと思います。

「不労所得」など所詮おとぎ話、と考えるくらいのクールさが重要かもしれませんね。

さて前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、今回、取り上げるのは上記の通りカンボジア商業銀行の米ドル預金です。金利は1年もので6.2%という高金利です。

そのままノーリスクで6.2%のリターンが得られるのであれば万々歳ですが、残念ながらそんな旨い話はありません。そこでリスクは何か、という観点からチェックしたいと思います。

まずよくあるのが、表向きは金利が高いけれど、インフレ率=通貨の下落率が高いので、実質的にはそれほどおいしくない、というケースです。インフレに悩む新興国通貨にはよくあることですが、その点ではこの預金は「米ドル」なので心配はありません。

今や米ドルも低金利通貨の1つですからね。

とすると、ここまで金利が高い大きな理由はやはり、「銀行の信用力が低いから」、ということですね。もし信用力が高い銀行であれば、こんな高金利をつけなくてもジャンジャンお金を集めることができます。特に米ドルは大規模な金融緩和によって「金余り」となっていますから尚更です。

そもそもカンボジアという国自体の信用力が低いですね。カンボジア国債に対する、格付け会社ムーディーズの評価は「B2」ということで、これは投資してもよいとされる目安=Baaを大きく下回る水準です。

ムーディーズの格付けを上から紹介するとこうなります。

Aaa
Aa
A
Baa ← 一般的には投資できるのはここまで
Ba1
Ba2
Ba3
B1
B2 ← カンボジア国債はここ
B3
Caa
Ca


実際には概ねどのグレードも1〜3に細分化されるのですが、ここでは分かりやすく、BaとBのみ細分化して表記しました。

つまりはカンボジアの中でも最も信用が高いはずのカンボジア国債ですらB2ということは、このカンボジア商業銀行の信用力はさらに低いのは間違いありません。

そうなってくると、6.2%という金利ですら低い、という考え方もあるかもしれませんね。

そんなわけでこの高金利の裏にあるリスクは、カンボジア商業銀行の信用力の低さだけで説明できてしまうのですが、それ以外にも上記コラムでは以下の点が指摘されています。

・キャッシュカードはその場では作れないので再度、カンボジアを訪問する必要があること
・15%程度の税金がかかること
・出金するには再度、カンボジアを訪問する必要があること
・預金保険などの制度がないこと

仮に300万円相当の米ドルを預けた場合の利息は1年で税引き後約16万円ということになりますが、3回カンボジアを訪れる旅費を考えれば概ね赤字になるかと思います。2年預けてトントンという感じでしょうか(タダでカンボジア旅行できるという考え方もできるかもしれませんが)。

加えて日本円→米ドル→日本円に交換する際には一般的には1%程度の手数料がかかります。つまり、さらに2%の経費がかかる、ということですね。

だとすると3年預けてようやく10万円程度=年利1%程度のリターンが得られる、という感じですかね。

しかし!

ここには最大のリスクが抜け落ちています。何かというと為替リスクですね。米ドルと日本円は毎日0.5%程度は軽く変動しています。とすると何とか3年かけて得られた年1%(通算3%)のリターンなど、少し円高になれば軽く吹き飛んでしまうのですね。

実際、ここ1年でドル円相場は1ドル=80円から100円まで25%も変動したわけですが、仮に逆のこと=円高が起これば、元本の25%が吹き飛ぶわけで、いくら6.2%の金利でも全くカバーできません。

やはりこうした預金は、カンボジアにお住まいの方が、「万が一、返ってこなくても困らない」範囲内で利用するもの、ということでしょうね。

参考になさってください。


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